保健所検査の流れ~自業自得~
すべてが、真っ白になった。
目の前の現実を、淡々と受け止めながらも、何も考えられなくなった。
・・・・・・・
午前に検査、午後に結果。
午後、指定の時間の10分前に待合室にいたら、ほかの人が続々と入室していく。
時間前にズカズカ入る自信なんてないから、じっと待っていた。
ほかの人は、ものの30秒もしないうちに帰っていく。
ふと、その人たちをドアまで見送る保健所の方と目が合った。
採血のときや、電話予約のときに優しく接してくれたお姉さん。
笑顔のまま、
「早いですね~、ちょっと待ってて下さいね、すぐ案内しますから」
といって一旦事務室に消えていく。
ただでさえ、HIV検査なんて陽性なんじゃないかそうなんじゃないかなんて落ち着いていない心持ち。
何にも無ければ「なんにもないから帰っていいですよー」って言うよなぁとか、ネガティブな事を考えてしまう。
そして、部屋に通される。
応接スペース。
腰を掛けようと思ったら、後ろから
「こんにちは」
と軽やかに挨拶をしてくれたおじさんがいた。こちらも優しそうなおじさん。
「はじめまして。保健所のセンター長の○○です、ご一緒させてくださいね」
あー、そっか。と、心の中で気づいてしまった。
すべてが、真っ白になった。
目の前の現実を、淡々と受け止めながらも、何も考えられなくなった。
そのとき、お姉さんとセンター長が話してくれた事は以下のとおり。
・スクリーニング検査で陽性判断が出た。
・より正確な検査をするために、1日時間がほしい。
・まれに、偽陽性となる人がいる。
・万が一、陽性だったとしても安心してほしい。今の医療技術の進歩で、HIV、エイズで寿命が短くなったり、死を恐れる病気ではなくなった。
・薬さえ飲めば、問題ない。
・万一、陽性だった場合は保健所から拠点病院を紹介したい。
話を聞きながら、理解はしていたつもりだけど心の中は真っ白。
心の中で「あー、そっかー、終わったかー、自業自得だよなー、あー、そっかー」
の繰り返し。涙も出なかった。
センター長は、ずっとお話していたいくらい、親身に話を聞いてくれた。
次の日(3月20日)は、会社へは「病院に行く」と嘘をついて1時間掛けて、また保健所へ。
予定時間の30分前。応接室で待ち合わせてたけど、センター長は玄関で待っていてくれてた。
応接室で結果データを見ながら、再度自分がHIV陽性であることを再認識。
拠点病院への紹介状を受け取って、自分がHIVであるという看板を背負いながら、岐路についた。
涙なんて、家でも全然でなかった。
心の中で、わかっていたのかな・・・
今まで、性病にかかったことはある。だから、不注意が続けばHIVにだってなり得ることも分かっていた。
「自業自得」僕の中では、この言葉に尽きるんだと思ってる。
分かりにくい文章力…改めねば。